悪性腫瘍との鑑別を要した気管炎症性ポリープの 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • Inflammatory Polyp of the Trachea Resembling a Malignant Tumor

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抄録

症例は78歳男性。一過性脳虚血発作のため当院へ入院した。胸部単純X線写真にて右上肺野に器質化肺炎像を認めた。気管支鏡検査にて気管分岐部直上にカリフラワー状のポリープがあり, 鉗子生検にて炎症性ポリープと診断した。11ヵ月にわたる経過観察においても気管ポリープは不変であり, beclomethasone dipropionate (BDP) 800μg/日吸入療法は無効であった。悪性腫瘍が完全に否定できなかったことと併せ, 高周波スネアによるポリペクトミーを施行した。残存部位にNd-YAGレーザー焼灼を追加し, 再発なく現在まで経過している。悪性腫瘍との鑑別を要する気管炎症性ポリープに対して高周波スネアによるポリペクトミーとNd-YAGレーザーとの併用療法は侵襲も少なく, 良好な治療成績が得られたので, 本法は有用であると考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 21 (5), 349-353, 1999

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (15)*注記

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