鈍的外傷による頸部気管完全断裂の 2 手術例

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タイトル別名
  • Two Cases of Blunt Complete Transection of Cervical Trachea

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抄録

鈍的外傷による頸部気管完全断裂の2手術例を経験した。症例1は21歳, 男性。バイク乗車中転倒, チェーンにて頸部受傷。第1と第2気管軟骨間において完全断裂, 両側反回神経と食道の合併損傷も認めた。症例2は55歳, 男性。ショベルカーのアーム部にて前胸部, 頸部を受傷。第1と第2気管軟骨間において完全断裂, 両側反回神経と頸髄の損傷を認めた。両症例とも気管損傷に対しては気管端々吻合術を施行した。鈍的外傷による気管完全断裂症例は受傷早期の気道確保を確実に行えば, 比較的救命率の良い外傷であると考えられた。また, このような症例では気管のみではなく他臓器の合併損傷の可能性もあることが示唆され, 術中術後の充分な検索が必要と思われた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 19 (6), 493-496, 1997

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (5)*注記

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