気管に発生した神経鞘腫の1切除例

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タイトル別名
  • A Rare Case of Tracheal Schwannoma Removed by Tracheal Resection

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説明

背景.気管原発の良性腫瘍のなかで神経鞘腫の発生頻度は極めて少ない.今回,全身麻酔下で気管管状切除を施行した1例を経験した.症例.55歳,男性.自覚症状はなく,当院ドック検診の胸部単純CTで第3胸椎高の気管膜様部に約15mm径の内腔に突出する辺縁整な腫瘤陰影を認めた.MDCT,MRIで壁外進展なく末梢気管支に病変はないと判断された.気管支鏡検査で気管後壁から発生する表面平滑な粘膜下腫瘍が確認された.完全切除のために,全麻下で気管管状切除を施行した.手術は頸部よりアプローチし,第3気管輪から第5気管輪を切除した.病理学的診断で腫瘍は気管原発の神経鞘腫であり,断端は陰性であった.術後経過良好で10病日で退院となった.結果.気管原発の神経鞘腫に対して,気管管状切除を施行した.最近高周波スネアによる腫瘍切除も行われているが腫瘍を完全に切除することは困難であり,腫瘍を完全に切除するため,本法を選択した.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 31 (3), 143-146, 2009

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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