進行肺癌に対する気管支ステント留置術後3カ月以内死亡症例の検討

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  • Analysis of Airway Stent Procedure for Advanced Lung Cancer Based on Analysis of Fatalities Within Three Months Following the Procedure

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背景.気道狭窄を来す肺癌症例は進行癌であることが多く,治療適応の判断が困難な場合が多い.しかも姑息的治療であるにもかかわらず,リスク,緊急性の度合いが高いことが多い.方法.当施設で行われた気道ステント治療症例110例を検討した.結果.1994〜2008年の間に東京医科大学病院にて行われた,肺癌の気道狭窄に対する硬性鏡下気道開大術は110件であった.うち93症例を対象とした.組織型の内訳は腺癌20例,扁平上皮癌30例,大細胞癌6例,小細胞癌3例であった.59例のうち術中死亡症例は認めなかった.percutaneous cardiopulmonary support(PCPS)使用症例は5症例であった.気道処置後の生存期間の中央値は6.2カ月,1年生存率は25.2%であった.硬性鏡下ステント留置術を行った59症例中,3カ月以内の死亡例は24例であった.気管分岐部への浸潤を認めた症例の多くは3カ月以内の死亡症例だった.まとめ.気道開大術,ステント留置術ともに非常にリスクの高い手技であり,適応を慎重に検討する必要がある.予後に関して考えると,後治療ができるレベルの状態でなければ効果は少ない.開大後のQOLは劇的に改善するが,一時的なものである可能性もあり,慎重に検討する必要があると考える.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 34 (2), 109-112, 2012

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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