経気管支生検後に肺膿瘍を併発し外科的切除により救命し得た肺扁平上皮癌の1例

DOI
  • 武岡 佐和
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 岡本 紀雄
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器内視鏡科
  • 長 彰翁
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 白山 敬之
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 田宮 基裕
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 鈴木 秀和
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 平島 智徳
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 川瀬 一郎
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 太田 三徳
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Squamous Cell Lung Cancer That Developed into an Abscess After Transbronchial Biopsy and the Effectiveness of Surgical Resection : a Case Report

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抄録

背景.気管支鏡検査後に発症した肺膿瘍の報告は散見されるが,その対処法については明確なものはない.症例. 77歳,男性.咳嗽を主訴に紹介受診. CTにて右肺尖部に内部含気を伴った腫瘤影と縦隔肺門リンパ節腫大,右上葉気管支の狭窄を認めた.右B^1よりtransbronchial biopsy (TBB)を施行し肺癌と診断された.検査翌日より高熱を呈し抗菌薬を投与していたが,腫瘤影の増大と内部空洞化を認め膿瘍化と考えられた.抗菌薬の継続によっても空洞化が進行し大喀血を来したが,右上葉切除術を行い救命が可能であった.結論.腫瘍内の含気や気管支狭窄を伴う症例では検査後の膿瘍化に注意が必要であり,過度のTBBやbrushingを控えるなど検査内容を十分に検討することが重要である.発症後は,肺癌の進行や喀血死のリスクを考慮すると,抗菌薬投与に加え,積極的な外科的切除が望ましいと考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (5), 566-571, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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