狭帯域光観察(narrow band imaging : NBI)による気管支粘膜異形成の観察経験

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タイトル別名
  • A Case of Dysplasia Diagnosed Based on Detailed Observation Using Narrow Band Imaging (NBI)

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説明

背景.通常の白色光気管支鏡による異形成(dysplasia)と上皮内癌(carcinoma in situ)の鑑別は,時に困難である.狭帯域光観察(narrow band imaging : NBI)の併用が病変部における赤色点の検出,評価に有用である.症例. 65歳男性.肺癌検診で舌区に異常陰影を指摘され,気管支鏡検査を施行したところ,右B^6分岐部に偶然異常を発見.白色光で右B^6分岐部に軽度の発赤を伴う肥厚を認め,表面は光沢あり. AFIでは同部位は淡いマジェンダ調を呈し,NBIでは比較的均一な赤色点が地図状に分布しており,境界は不明瞭であった.赤色点などの気管支鏡所見から上皮内癌と異形成の鑑別を要したが,同部位での生検結果はmild dysplasiaであった.結論.異形成ではNBI所見で赤色点の形態が均一,境界不明瞭が認められ,上皮内癌との1つの鑑別点である可能性が考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 35 (6), 617-621, 2013

    日本呼吸器内視鏡学会

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