二度の内視鏡的摘出術を施行した気管支異物の1例

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  • A Case of Two Episodes of a Foreign Body Removed via Bronchoscopy

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抄録

背景.誤嚥の原因となりうる基礎疾患のない健常成人に気管支異物を二度認めいずれも内視鏡的に摘出することは稀であると考えられる.症例. 68歳,男性. 2007年12月黄色痰を主訴に当院受診, CT検査にて右主気管支に石灰化を伴う病変を認めた.画像所見および食事中に魚骨が喉にひっかかったというエピソードから気管支異物を疑い気管支鏡検査を施行した.気管支鏡検査では右主気管支に異物を認め内視鏡的に摘出した.異物は鯛の骨と考えられた.以後特に異常を認めなかったが,約4年後に経過観察にて施行したCT検査および気管支鏡検査にて再び気管支異物を認め,前回の反対側である左上下葉支分岐部に存在した貝殻を内視鏡的に摘出した.結論.誤嚥の原因となりうる基礎疾患のない健常成人であっても,過去に気管支異物を認めた症例に対しては再度異物を認める可能性を考慮して十分な経過観察を行うことが重要であると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (1), 52-55, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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