特殊な状態・病態におけるロクロニウムの使い方と留意点―肝臓・腎臓障害および移植術―

  • 新谷 知久
    札幌医科大学医学部麻酔学講座
  • 成松 英智
    札幌医科大学医学部麻酔学講座 札幌医科大学医学部救急・集中治療医学講座・高度救命救急センター
  • 並木 昭義
    札幌医科大学医学部麻酔学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Alterations in the Effect of Rocuronium in Patients with Renal Failure or Liver Disease Who Underwent Transplantation Surgery

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説明

 ロクロニウムは静脈内投与した後ほとんど代謝されずに速やかに肝臓に取り込まれ, 大半は胆汁中に, 一部が腎から尿中に排泄される. 腎機能が低下した患者においては, ロクロニウムの作用持続時間は変わらないとする報告や延長するという報告があり一定の結論が得られていない. 一方, 肝機能が低下した患者では作用持続時間は延長すると報告されている. また, 肝移植術の際に移植肝が正常に機能しなかった患者において, ロクロニウムの血漿濃度上昇や, 筋弛緩効果からの回復時間遅延を認めたとの報告がある. 肝・腎機能に障害をもつ患者や移植術においてロクロニウムを使用する際には, 筋弛緩モニターを行い慎重に投与量を調節して管理する必要がある.

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参考文献 (22)*注記

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