術後硬膜外持続投与した0.2%ロピバカインが神経障害の原因として疑われた遷延性下肢麻痺の1例

  • 城山 和久
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科
  • 森脇 克行
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科
  • 橋本 賢
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科
  • 田嶋 実
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科
  • 讃岐 美佳子
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科
  • 三木 智章
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科

書誌事項

タイトル別名
  • Prolonged Neurological Deficit of Lower Extremity Following Postoperative Continuous Epidural Infusion of 0.2% Ropivacaine

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説明

45歳女性に対し,単純子宮全摘術を硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔で行った.硬膜外穿刺カテーテル留置および脊髄くも膜下穿刺時に異常感覚は生じなかった.等比重0.5%ブピバカイン4mlによる脊髄くも膜下麻酔と2%メピバカイン5mlを硬膜外腔に投与して麻酔管理を行った.術後鎮痛目的で0.2%ロピバカインを4ml/hrで持続投与した.手術翌朝には起立可能であったが,同日夜間に突然両下肢の完全麻痺が生じた.硬膜外カテーテル抜去後,麻痺は改善傾向にあったが,下肢近位筋麻痺が遷延した.MRI上異常所見は認められなかった.下肢麻痺はステロイド投与とリハビリにより徐々に改善し,手術2年後に下肢筋力はほぼ正常に回復した.使用した局所麻酔薬のリンパ球幼若化試験はいずれも陰性であった.下肢完全麻痺は脊髄くも膜下麻酔から回復後に生じ,使用局所麻酔薬の遅発性アレルギー反応の可能性も低いことから,0.2%ロピバカインによる神経障害が原因として疑われた.

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参考文献 (22)*注記

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