腱板断裂に伴った上腕二頭筋長頭腱障害に対する<BR>各種臨床検査の手術前後の変化

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腱板修復術前後における上腕二頭筋長頭腱(LHB)に対する臨床検査(結節間溝(BG)圧痛の有無,Speed Test(ST),Yergason Test(YT))の結果を術前後で比較検討した.対象は鏡視下腱板修復術後,1年以上経過し,手術時にLHB完全断裂を合併していなかった41例41肩,手術時年齢平均63.3歳(38-80歳)である.鏡視によるLHB病変の有無,存在したLHB病変に対して腱固定・切離を行ったものと,デブリドマンのみ行ったものについて,術前と最終観察時でのBG圧痛,ST,YTを比較検討した.LHB病変を認めないものが19例あり,腱固定・切離を行ったものが17例,デブリドマンのみ行ったものが5例であった.腱固定・切離を行った17例の最終観察時の ST,YTはすべて陰性であった.LHB病変の診断におけるBG圧痛,ST,YTの信頼度は低かったが,LHBに対して固定・切離を行った症例で術後の最終観察時にST,YTが全例陰性であったことは,この二つがBG内のLHB病変を反映する有用な検査であることが示唆された.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 40 (3), 992-995, 2016

    日本肩関節学会

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