日本外科代謝栄養学会 周術期管理の現状

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  • ~評議員在籍施設における周術期管理 第2 回アンケート結果報告~

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説明

【目的】Enhanced Recovery After Surgery(ERAS)を、我々は本邦の周術期管理に沿うESsential Strategy for Early Normalization after Surgery with patient’s Excellent satisfaction(ESSENSE)として消化器 外科各領域にプログラム導入を2012 年に開始し、本年度で5 年目を迎えている。3 年前に評議員在籍 施設における周術期管理アンケートを行い、昨年度に第2 回アンケート調査を行った。今回アンケート 調査結果報告と共に、1 および2 回の相違を含めて報告する。<br> 【方法】同学会評議員在籍94 施設(評議員数132 人)に対して紙面によるアンケート調査を行った。対 象術式は食道、胃(全摘出、部分)、結腸、直腸切除、腹腔鏡下胆嚢摘出、肝切除、膵頭十二指腸切除 とした。<br> 【結果】アンケート回収率65 %(86/132)。1.「ERAS(Enhanced Recovery After Surgery)、Fasttrack Surgery などの術後回復促進策を貴施設で既に導入されていますか?」に対して全8 術式とも「実 際に行っている」が「今後行う必要がある」と比較し、1.3~3.3 倍実施されており、2013 年度と比較し 明らかに実施率が増加していた。2.「腸管洗浄液による術前腸管洗浄をルーチンに実施しているか?」 54% が実施、3.「術前絶飲はいつから?」麻酔導入10 時間以上前33%(2013)→ 9%(2016)、3 時間前 16% → 27%、2 時間前24% → 38%、4.「術前絶食はいつから?」麻酔導入10 時間以上前76% → 29%、 麻酔導入6-10 時間以上前20% → 61%、5.「術前2 時間前までに経口補水を行っているか?」 23% → 46% へ増加、6.「術後鎮痛方法は?」硬膜外鎮痛81%(2016)使用、7.「術後経口摂取促進のため、 ルーチンに制吐剤あるいは腸管蠕動促進剤、緩下剤を使いますか?」ルーチンに使用17% のみ。8.「術 後回復促進策導入により術後合併症は減少したか?」減少した20% → 26%、9.「術後入院期間は短縮し たか?」短縮した40% → 44%、10.「日本外科代謝栄養学会での術後早期回復促進策であるESSENSE という取り組みを知っていますか?」知っている67% → 85%、11.「貴施設に周術期管理チームはあり ますか」有26% のみであった。<br> 【考察】評議員在籍施設における術後早期回復プログラムの認識および各施設での実施は2013 に比べ 2016 年度は明らかに実施率が高いものと思われた。しかしながら、PONV や術後疼痛対策、周術期管 理チーム配置などは未だ不十分であることが示唆された。

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