大腿骨近位部骨折患者における立ち上がり動作の運動力学的・筋電図学的分析

  • 上野 貴大
    さいたま記念病院リハビリテーションセンター:越谷リハビリケアセンター
  • 高橋 幸司
    さいたま記念病院リハビリテーションセンター
  • 座間 拓弥
    さいたま記念病院リハビリテーションセンター
  • 鈴木 英二
    さいたま記念病院リハビリテーションセンター
  • 原 和彦
    埼玉県立大学大学院

書誌事項

タイトル別名
  • Kinetic and Electromyographic Analyses of Sit-to-Stand Motion in Patients with Proximal Femoral Fracture :
  • -動作時疼痛の有無による比較-
  • Comparison of Patients with Pain and without Pain

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説明

【目的】大腿骨近位部骨折患者の立ち上がり動作を運動力学的・筋電図学的に解析し,疼痛の有無による運動様式とその際の筋活動の差異を明らかにすることとした。【方法】対象は,認知機能が保たれ,重篤な既往を有さない大腿骨近位部骨折患者21名であった。下腿長の120%の高さの椅子からの上肢支持を用いない立ち上がり動作を対象動作とし,3次元動作解析装置,表面筋電計を用い計測を行った。対象を疼痛あり群・疼痛なし群に分類し,動作分析結果を群間で比較した。【結果】疼痛はおもに患側大腿四頭筋に認めた。患側股運動範囲・患側股伸展モーメントは,疼痛あり群で有意に小さかった。患側膝伸展モーメントは疼痛あり群で有意に大きかった。筋活動量健側比は,疼痛あり群の外側広筋で有意に大きかった。【結論】疼痛を生じている例では,患側股関節機能低下に対する患側膝関節機能による代償が確認され,回復期に生じる筋痛発生への関与が示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 42 (3), 228-236, 2015

    一般社団法人日本理学療法学会連合

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