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- 杉下 守弘
- 東京大学医学系大学院 認知言語神経科学
書誌事項
- タイトル別名
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- Functional Magnetic Resonance Studies on Language.
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説明
ファンクショナルMRI (fMRI) は脳機能画像法の最新技法の1つであり,脳と言語の関連を解明するうえで多大の貢献をすると考えられている。本稿はファンクショナルMRI の基本的知識について解説している。また,1.5Tの装置を使用した2,3のファンクショナルMRI の研究が紹介されている。<br> 第1は “しりとり” 課題で生ずる脳の活動をファンクショナルMRI で測定した研究である。右利き男の被験者は主に左前頭葉および左頭頂葉に活動が認められた。左利き男の被験者では,右前頭葉,右頭頂葉および左前頭葉に活動が認められた。第2はファンクショナルMRIの信頼性の問題である。右利きの男の被験者が2週間後にしりとりを行った時のファンクショナルMRI では2週間前とほぼ同じ部位の活動が認められた。ファンクショナルMRI の信頼性は高いと考えられる。第3はファンクショナルMRI の臨床的適用である。40歳の右利き女がブローカ領に梗塞を生じ失語を呈した。この失語は3週内で消失した。10年後にしりとりを行わせファンクショナルMRI で測定した。脳の活動は左半球にほぼ限局していた。したがって,損傷のある左半球が失語を代償し言語活動は左半球で行われていると思われる。
収録刊行物
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- 失語症研究
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失語症研究 19 (3), 157-162, 1999
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能学会)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679739246336
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- NII論文ID
- 130004893105
- 10009545849
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- NII書誌ID
- AN00329488
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- ISSN
- 18806716
- 02859513
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可