脳梗塞による失語症の予後  急性期からの検討

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  • Prognosis of aphasic patients. A review of 64 patients with acute cerebral infarction.

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抄録

    脳梗塞による失語症 64例について,年齢,病巣の広がり,失語症のタイプ,急性期からの改善パターンなど,予後に関連すると思われる要因を検討した.<br>    結果は以下のようにまとめられる.<br>    (1) 発症から1ヵ月の間に著明な改善を示したものの予後は良好であった.<br>    (2) Broca 失語と Wernicke 失語の予後に差はみられなかった.<br>    (3) 病巣の広がりは予後と強い相関があった.梗塞体積が50 cm3 以上の 26例のうち,22例 (85%) が重度であり,重度の 31例中 22例 (75%) が50 cm3 の梗塞体積を示した.一方, 軽度のものでは50 cm3 を超えたものはなかった.<br>    (4) 年齢は, 特に急性期に最も重度であった群において, 長期予後にかかわる因子であるように思われた.

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 8 (1), 10-17, 1988

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)

参考文献 (12)*注記

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