大脳性難聴に対する読話訓練の試み

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タイトル別名
  • Lip-reading Rehabilitation Administered to a Patient with Cortical Deafness due to Bilateral Putaminal Hemorrhages.

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抄録

両側被殻出血による大脳性難聴,いわゆる皮質聾の一症例を報告した。症例54歳,男性,右利き。聴覚伝導路は側頭葉皮質下で両側性に損傷されており,発症後1年以上経過しても大脳性難聴は改善しなかった。日常生活のコミュニケーションでは筆談が多用されていた。患者は読話能力の新たな獲得への希望を持っており,その前段階訓練としてキュードスピーチを併用した訓練を実施した。訓練終了後,絵画語彙発達検査やトークンテストで得点の改善をみたが,単音節から単語,単文へと音の長さが長くなるにしたがい,正答率は低下した。最終的には,キュー・サインを併用しても読話は実用レベルに至らなかった。

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 14 (3), 180-186, 1994

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)

参考文献 (4)*注記

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