鼓室に逸脱する内頸動脈走行異常を合併する人工内耳手術の経験

  • 木戸口 正典
    独立行政法人国立病院機構 東京医療センター耳鼻咽喉科 福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 南 修司郎
    独立行政法人国立病院機構 東京医療センター耳鼻咽喉科
  • 竹腰 英樹
    国際医療福祉大学 三田病院耳鼻咽喉科
  • 加我 君孝
    国際医療福祉大学 三田病院耳鼻咽喉科 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Cochlear Implantation withAberrant Internal Carotid Artery in Middle Ear

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抄録

鼓室に逸脱する内頸動脈走行異常は比較的まれな奇形であり、通常無症状で耳科手術時に大出血をきたし発見されることがある。今回我々は、先天性重度感音難聴で、鼓室に逸脱する内頸動脈走行異常を合併し、人工内耳埋め込み手術に難渋したが無事終了した症例を経験したので報告する。症例は、補聴器装用効果を認めない先天性重度感音難聴の女児。CTでは両側とも内耳蝸牛神経管狭窄があったが、MRIでは右蝸牛神経が欠損し、左蝸牛神経は確認できた。左耳は100dB程度の音に反応もあり、人工内耳適応と考えられたが、左中耳岬角から正円窓にかけて逸脱する内頸動脈奇形を認めた。2歳7ヶ月時に左人工内耳埋め込み手術を行った。術中に鼓室内の頸動脈走行を注意深く確認し、出血を来した際の止血対応のため外耳道後壁を削開し、正円窓上後方を削開し全電極挿入できた。術後に特記すべき合併症なく、人工内耳装用を開始している。

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参考文献 (11)*注記

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