小児慢性穿孔性中耳炎手術施行症例の臨床的検討

  • 原 真理子
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科
  • 新鍋 晶浩
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科
  • 金沢 弘美
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科
  • 吉田 尚弘
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科
  • 飯野 ゆき子
    自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical study on children operated for chronic otitis media with perforation

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説明

手術を施行した小児の慢性穿孔性中耳炎51症例59耳を対象とし、鼓膜穿孔の原因、鼓膜硬化症の合併の有無、穿孔閉鎖率に関して検討を行った。鼓膜穿孔の原因は、鼓膜換気チューブ留置後の症例が最も多く55.9%であった。鼓膜換気チューブの留置期間や年齢は、推奨される条件に当てはまる症例が多かったが、永久穿孔に至り外科的治療を要していた。さらに半数以上で鼓膜硬化症を合併しており、全症例が穿孔縁に接する硬化病変であった。このような硬化病変は自然閉鎖を妨げる要因となるため、外科的治療を考慮する指標となると考えられた。また、穿孔閉鎖率は全症例で91.8%、鼓室形成術は100%、接着法による鼓膜形成術は66.7%であった。再穿孔を来たした症例は、両側同時手術で鼓膜形成術を行った症例が多かった。両側罹患例の場合、上気道感染への罹患しやすさ、免疫能の不十分さ、耳管機能の未熟性が片側罹患例より重度と考えられ、より慎重な対応が求められる。

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参考文献 (18)*注記

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