急性冠症候群における標準四肢誘導心電図aVR誘導のST上昇の意義に関する研究

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タイトル別名
  • Clinical study on the significance of ECG ST-segment elevation in lead aVR in acute coronary syndrome.

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説明

急性冠症候群発作時の標準四肢誘導心電図aVRのST上昇の意義について検討した.不安定狭心症 (UAP: 220例) は発作時, 急性心筋梗塞 (AMI: 485例) は収容時所見でそれぞれaVRのST上昇群, 非上昇群の4群に分け, 臨床所見, 冠動脈障害枝数を比較した.UAPでST上昇群の3枝/左主幹部病変例の占める比率は49%, 非上昇群3%で, ST上昇群で有意に多かった (p<0.01) .AMIでもST上昇群の3枝・左主幹部病変例の占める比率は59%, 非上昇群6%で同様な差を認めた (p<0.01) .さらにST上昇群はいずれも「左前下行枝+回旋枝」の組み合わせが有意に多かった (p<0.01) .またKillip分類III・IV群がST上昇群45%, 非上昇群13%で, 重症心機能低下例はST上昇群に有意に多かった (p<0.01) .急性冠症候群のaVR誘導ST上昇は多枝冠障害 (左冠動脈主体) とAMI例で重症ポンプ不全の存在を示す.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 18 (6), 849-857, 1998

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (30)*注記

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