心室細動からの蘇生後に逆方向性房室回帰性頻拍と稀有型房室結節回帰性頻拍を認めた間歇性WPW症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intermittent WPW Syndrome Resuscitated from Ventricular Fibrillation with Antidromic Atrioventricular Reentrant Tachycardia and Atypical Atrioventricular Nodal Reentrant Tachycardia

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説明

症例は18歳男性.大学のソフトボールの授業中に突然転倒し,心肺停止状態のため自動体外式除細動器 (AED) による電気的除細動を施行され,他院へ救急搬送された.AEDデータ解析から除細動時のリズムは心室細動と判明した.救急外来の心電図でデルタ波を認めたことから,アブレーション目的に当院を紹介された.電気生理学的検査で副伝導路は僧帽弁側壁に存在し,その順行性不応期は230msecと非常に短く,突然死のハイリスク群であった.心房期外刺激によりwide QRS頻拍およびnarrow QRS頻拍が誘発されたが,心房細動や心室頻拍は誘発不能であった.Wide QRS頻拍時の逆伝導はslow pathway,順伝導は副伝導路であった.副伝導路アブレーション後にも稀有型房室結節回帰性頻拍が誘発され,最終的に逆行性slow pathwayのアブレーションで,すべての頻拍が誘発不能となった.以上より,本例のwide QRS頻拍は副伝導路を順伝導,逆伝導をslow pathwayとする逆方向性房室回帰性頻拍と診断した.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 36 (3), 187-197, 2016

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (7)*注記

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