アミオダロンの臨床使用と注意点

  • 志賀 剛
    東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器内科
  • 笠貫 宏
    東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • <I>Therapeutic use of amiodarone and attention to its side effects</I>

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説明

アミオダロンは強力な抗不整脈作用を有しているが, その薬物動態は複雑である, 脂溶性が高く脂肪組織などに広く分布し, その除去半減期は14~107日と長いという特徴がある.このため, 早期の効果発現を期待して初期負荷を行うという考えがある.日本では400mg/日2週間の初期負荷と200mg/日の維持量が勧められている.初期負荷量として800~1200mg/日の高用量を用いると血中濃度が高く推移し, より早い効果発現が期待できる一方, 催不整脈作用等の発現が懸念される.一般的には400mg/日による初期負荷が安全で効果的と思われる.日本における適応は, 生命の危険がある心室頻拍・心室細動あるいは肥大型心筋症に伴う心房細動の再発性不整脈である.欧米に比し, 低用量であり, 低い血中濃度でありながら, その効果は劣っていない, 一方, 心外副作用として肺毒性や甲状腺障害が多く, 眼毒性, 皮膚毒性, 神経毒性は少ない特徴がある.常に有効性と安全性を考慮した投与設計が必要である.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 22 (2), 77-83, 2002

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (13)*注記

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