ANCAサブタイプによる臨床的特徴の解析、及びANCA陰性例に対する血清学的検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Otitis media with ANCA associated vasculitis (OMAAV) : Clinical differences according to ANCAs, serological study of ANCA negative AAV
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説明
ANCA関連血管炎性中耳炎 (OMAAV) の臨床像、病態をより明確に把握するため、全国アンケート調査より集積した297症例を3群に分類し (PR3-ANCA陽性群、MPO-ANCA陽性群、ANCA陰性群)、それぞれの臨床的特徴について検討した。PR3-ANCA陽性群は、鼻病変及び肺病変の合併率が高く、再燃率が高く、他臓器発症型の割合が最も高かった。MPO-ANCA陽性群は、OMAAV全体の約半数を占め、PR3-ANCA陽性群と比し診断時の年齢が高く、中耳炎発症型の割合が高かった。両ANCA陰性群は他群と比し肺病変、腎病変の合併率は低く、肥厚性硬膜炎の合併例が多く死亡率が高かった。これらの特徴はOMAAVの診断、及び経過をみる上で重要な所見となりうる。<br>また、臨床的にANCA関連血管炎が疑われるのにも関わらず、臨床検査でANCA陰性であった16症例について、抗原固相方式の異なるELISA測定法 (direct法、capture法、anchor法)、間接蛍光抗体法によるANCAの検出を試みた。さらにPR3、MPO以外のANCA関連自己抗体の存在を調べた。その結果、異なるELISA測定法によって4症例でPR3またはMPO-ANCA陽性を認め、2症例でPR3、MPO以外のANCA (elastase-ANCA 1例、BPI-ANCA 1例) を認め、2例で間接蛍光抗体法によるP-ANCA陽性が確認された。ANCA陰性例については、異なるELISAキットや間接蛍光抗体法を用いること、PR3またはMPO以外のANCA関与の可能性を考えることが診断に有用であると考えた。
収録刊行物
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- Otology Japan
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Otology Japan 25 (2), 189-195, 2015
一般社団法人 日本耳科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679749477632
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- NII論文ID
- 130005398762
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- ISSN
- 18841457
- 09172025
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可