トレッドミル負荷試験時のHR‐STループによる冠動脈硬化症の存在診断と重症度診断

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タイトル別名
  • Presence diagnosis and severity evaluation of coronary arteriosclerosis based on HR-ST loop during treadmil test.

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説明

運動負荷試験中から回復期にかけての心拍数 (横軸) とST下降度 (縦軸) の関係をHR-STループとして表わし, 冠動脈硬化症の重症度を推定することを試みた.対象は, トレッドミル負荷時に有意なST下降のみられた36例 (平均年齢54歳) であり, 有意狭窄無し (0VD) 12例, 1枝狭窄 (1VD) 13例, 2枝以上狭窄 (MVD) 11例であった.HR-STループはV5誘導についてML-8000 (フクダ電子) にて解析し, A型 (反時計方向回転) , C型 (時計方向回転) , B型 (A型とC型の中間) , C型 (C型でST下降の回復遅延を伴うもの) に分けられた.A型は9人の0VDと3人の1VDにみられ, B型は3人の0VDと6人の1VDに, C型は2人の1VDと5人のMVDに, C型は2人の1VDと6人のMVDにみられた.最大ST下降度には0VD, 1VD, MVDの間で差がみられなかった.HR-STループは偽陽性ST下降の鑑別と冠動脈硬化の重症度評価に有用であった.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 9 (3), 293-299, 1989

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (3)*注記

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