5.ミネラロコルチコイド受容体拮抗薬の低アルドステロン性高血圧ラットにおける心肥大・心不全抑制効果

  • 永田 浩三
    名古屋大学医学部保健学科検査技術科学専攻
  • 小畑 孝二
    愛知学院大学歯学部薬理学講座
  • 許 京欄
    名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科
  • 加藤 まゆ子
    名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻
  • 宮地 正朗
    名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻
  • 矢澤 宏樹
    名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻
  • 坪井 公司
    名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学専攻
  • 山田 高資
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科
  • 西澤 孝夫
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科
  • 野田 明子
    名古屋大学医学部保健学科検査技術科学専攻
  • 成 憲武
    名古屋大学医学部循環病態探索医療学 (興和) 寄附講座
  • 井澤 英夫
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科
  • 室原 豊明
    名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科
  • 古池 保雄
    名古屋大学医学部保健学科検査技術科学専攻
  • 横田 充弘
    愛知学院大学歯学部ゲノム情報応用診断学講座

書誌事項

タイトル別名
  • <I>Mineralocorticoid receptor antagonism attenuates cardiac hypertrophy and failure in low-aldosterone hypertensive rats</I>

説明

不整脈は心不全患者における主要な死因となっている.われわれはミネラロコルチコイド受容体 (MR) 拮抗薬が低アルドステロン性高血圧ラツトにおいて心肥大・心不全を抑制するか否かを検討した.Dahl食塩感受性 (DS) ラットに対して, 非降圧量のエプレレノンを心肥大期から心不全期まで経口投与した.未治療心不全群では血漿レニン活性およびアルドステロン濃度は対照群と比べて約50%低値であったが, 冠血管周囲のマクロファージ浸潤とともに心肥大・心線維化は著明に増加した.また, 心筋のMR, monocyte chemoattractant protein 1およびosteopontinのmRNA発現量も増加したが, エプレレノン投与により冠血管炎症および心不全とともにこれらの遺伝子発現の変化が抑制された.さらに, 少なからず認められた突然死例はエプレレノン投与により消失した.エプレレノンは不全心筋において認められる還元型と酸化型グルタチオンの比 (GSH/GSSG) の減少およびNADPHオキシダーゼ活性の増加をともに抑制した.以上の結果より, 低アルドステロン性高血圧ラットにおいてエプレレノンを用いたMR遮断により, 降圧効果とは無関係に心肥大・心不全が抑制されることが示された.エプレレノンの心臓に対する有益な効果のうち少なくとも一部はグルココルチコイドによって活性化されるMRによって誘導される心筋酸化ストレスと冠血管炎症の抑制に起因すると考えられた.また, MR拮抗薬は心不全患者の不整脈死の抑制にも有効である可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 28 (1), 41-52, 2008

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679749638912
  • NII論文ID
    130004245524
  • DOI
    10.5105/jse.28.41
  • ISSN
    18842437
    02851660
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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