Stage分類にもとづく先天性真珠腫31症例の動向

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タイトル別名
  • Clinical features of congenital cholesteatoma over 10 years:
  • application of a staging system and comparison with the previous decade
  • ─当科における先行報告40耳との比較を含めて─

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説明

最近10年間に当科で手術を行った先天性真珠腫31例についてPotsicによるStage分類を適用し、その臨床像を検討した。<BR>Stage I、II(計7例)は低年齢で偶然発見されたケースがほとんどであった。Stage III、IV(計24例)はより高年齢で、偶然発見されたケースは8%と少なく、大半が難聴や中耳炎などが発見の契機となっていた。<BR>真珠腫の局在・形状に関しては、Stage I、IIの86%(6/7)が鼓室前方に位置するclosed型の病変であった。これに対し、Stage III、IVにおいて鼓室前方に位置する症例は2例のみで、50%(12/24)が鼓室後方の病変であった。Stage III中、4例にopen型の真珠腫を認めた。その中の2例とopen型とclosed型の両者が混在する1例の計3例に耳小骨奇形の合併を認めた。<BR>末武らが報告した当科の1990年前後の40例と同様にStage IIIが依然として60%以上で最多を占めた。PSQに発生してStage IIIに分類される例が多く、欧米のASQ型でStage Iに分類されるケースが過半を占める状況とは異なることは、先天性真珠腫の発生母地の多様性を支持すると考えられた。

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参考文献 (33)*注記

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