突発性難聴に対する鼓室内ステロイド注入療法の臨床効果

  • 武市 紀人
    北海道大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 小原 修幸
    北海道大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 藤原 圭志
    北海道大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 津布久 崇
    手稲渓仁会病院 耳鼻咽喉科
  • 福田 諭
    北海道大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The evaluation of the efficacy of the intratympanic steroid therapy for sudden sensorineural hearing loss

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説明

突発性難聴において全身ステロイド投与無効例、投与困難例に対して有効な治療法はないのが現状である。当科では上記のような症例に対し鼓室内ステロイド注入療法を用いている。その有効性について検討を行った。対象は全83例、救済治療例が71例、初期治療例が12例であった。治療開始後6ヶ月の段階で全83例のうち治癒は26例(31.3%)、著明回復が5例(6.0%)、回復が21例(21.5%)、不変が31例(37.3%)であった。治癒、著明回復となった症例は全て初診時平均聴力が60dB以内。また、治癒、著明回復に至った31例中27例の治療開始時期が発症より8週以内であった。全症例において治療後重篤な副作用・合併症は認められなかった。すでに全身ステロイド投与が行われ無効である、あるいは投与が困難である症例であることを考慮した場合、鼓室内ステロイド注入療法は有用な治療法の一つとして考慮するべきものと考える。

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