12誘導心電図波形を用いた特発性心室不整脈起源の診断

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タイトル別名
  • Twelve-lead ECG Characteristics of Idiopathic Ventricular Arrhythmias

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特発性心室不整脈の多くは流出路領域〔右室流出路,肺動脈,右室流出路低位のHis束近傍,左室流出路(心内膜側),大動脈冠尖(左冠尖,右冠尖),および左室心外膜側領域〕にその起源を有するが,僧帽弁輪,三尖弁輪,左室後下壁(左脚後枝領域),および左室前側壁(左脚前枝領域)などに起源を有する特発性心室不整脈も報告されている.特発性心室不整脈時のQRS波形はその起源からの心室内の興奮伝播をほぼ正確に反映し,頻拍の起源に特徴的な心電図所見を呈すると考えられる.高周波カテーテルアブレーションを施行した特発性心室不整脈症例を対象にアブレーション成功部位(左室心外膜側起源不整脈の場合は最早期興奮記録部位)を頻拍の起源と定義して,頻拍の起源ごとに症例を分類して,頻拍時の12誘導心電図の解析を施行した.その結果,頻拍時のQRS波形の解析によって詳細,かつ正確な頻拍起源の診断が可能であることがわかった.本稿では流出路領域,僧帽弁輪,および三尖弁輪起源特発性心室不整脈の12誘導心電図所見の特徴について述べる.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 30 (5), 453-465, 2010

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (24)*注記

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