書誌事項
- タイトル別名
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- Epidemiology and Severity of Cardioembolic Stroke
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説明
脳梗塞はラクナ梗塞(LI),アテローム血栓性脳梗塞(ATCI),心原性脳梗塞(塞栓)(CE)の3つに大別される.久山町の疫学データでは,LI患者の生命予後は時代とともに改善しているが,ATCIとCE患者の予後は不良のままで,特に1988年~2000年のCE患者の1年生存率は約50%と極めて不良であった.2005年10月~2008年1月に弘前脳卒中・リハビリテーションセンターに搬送されたLI(215例),ATCI(308例),CE(245例)患者の退院時の機能予後をmodified Rankin scaleで比較すると,0点,1点の機能良好例はLIが63%,ATCIが46%,CEが31%であった.一方,4点,5点の機能不良例および6点の死亡例はLIが18%,ATCIが37%,CEが52%で,CEがほかに比して明らかに不良であった.CE症例の75%で持続性(永続性)または発作性心房細動(AF)の合併が認められたが,CE発症後の機能予後に発作性AFと持続性AF間で差は認められなかった.血栓溶解療法は確かに脳梗塞の有用な治療法であるが,その適応となる例はCEの11%にすぎなかった.したがってAF例でCEのリスクを有する患者に対しては,CE発症予防のための方策が極めて重要と考えられた.
収録刊行物
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- 心電図
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心電図 31 (3), 292-296, 2011
一般社団法人 日本不整脈心電学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679750869504
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- NII論文ID
- 130001164282
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- ISSN
- 18842437
- 02851660
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可