新III群抗不整脈薬を臨床でどのように使用すべきか―ソタロールとニフェカラントを中心に―4.ソタロールのβ遮断作用と抗不整脈効果

  • 江森 哲郎
    岡山大学大学院医歯学総合研究科循環器内科

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説明

ソタロールは, 活動電位持続時間の延長作用とβ遮断作用を併せもつIII群抗不整脈薬である.ソタロールの電気生理学的特徴が生体に及ぼす影響について, 心拍数の変化, 心拍数とQT間隔の関係の観点から24時間ボルター心電図記録をもとに検討した.ソタロール投与患者においては, 薬剤投与後に心拍数が減少.徐脈時においてRR間隔に対するQT間隔の回帰直線の傾きが増大し, 逆頻度依存性のQT間隔延長の性質が示された.ソタロールのβ遮断作用については, 心臓突然死の予防, 抗不整脈作用に効果が期待されるが, 現在のところ大規模臨床研究による明確な根拠はない、一方, ソタロールの副作用として重篤な徐脈作用, 催不整脈作用があり, 心不全増悪はβ遮断作用に関連したものであり, 抗不整脈作用が期待されるβ遮断作用は, 低心機能患者に投与する場合には諸刃の剣であることを認識する必要がある.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 25 (1), 49-55, 2005

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (15)*注記

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