広東語の借用語音韻論 : 音声知覚と音韻構造(<特集>借用語音韻論の諸相)

書誌事項

タイトル別名
  • Perceptual Influences in Cantonese Loanword Phonology(<Feature Articles>Aspects of Loanword Phonology)
  • Perceptual Influences in Cantonese Loanword Phonology

この論文をさがす

抄録

本論では中国語(広東語)における外来語の音韻構造を考察する。まず子音の借用について,子音が(母音挿入を伴って)生き残る現象や削除される現象を考察する。この分析を通して,外来語の構造が受け入れ側の言語の文法だけで決まるという最音吐理論の一般的な考え方に対し,外来語特有の忠実性制約が存在することを論じる。また,音韻構造そのものに知覚上の要因が直接関与していることを示す。母音の借用形については,母音の選択に音響的な類似性や視覚的手がかりが大きく関与しており,母音の音色や長さに関する類似性よりもピッチ曲線や音節タイプの類似性の方が重要である可能性を指摘する。

収録刊行物

  • 音声研究

    音声研究 6 (1), 4-21, 2002

    日本音声学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ