日本語獲得における幼児の舌阻害音生成の普遍性と個別性(第一言語獲得,<特集>音声の獲得)

書誌事項

タイトル別名
  • Language-Specific and Language-Universal Aspects of Lingual Obstruent Productions in Japanese-Acquiring Children(L1 Acquisitioin,<Feature Articles>Phonetics and Phonology of Language Acquisition)
  • Language-Specific and Language-Universal Aspects of Lingual Obstruent Productions in Japanese-Acquiring Children

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抄録

音韻獲得のメカニズムは言語普遍的であり,音素目録を形成する多くの言語普遍的な原理によって決定されるというJakobson(1941/1968)の主張は,現在の音韻獲得理論の基盤となっている。しかしながら,近年の多言語にわたる音韻獲得に関する研究結果から,言語普遍的な原理だけでは全ての言語の音韻獲得過程が説明できるわけではないことも明らかになってきた(e.g., Ingram, 1999; Vihman, 1993; Vihman et al., 1985)。本稿では日本語を獲得する幼児の舌阻害音の生成過程についての研究結果を英語と比較対照することにより,日英語における舌阻害音の音韻獲得順序の相違が両言語の個々の音とその音の組み合わせの頻度に帰依している可能性が高いことを示した。また,調音の難易度といった言語普遍的側面と言語によって異なる個々の音とその音の組み合わせの頻度という言語個別側面の双方を考慮した音韻獲得理論の必要性について論じた。

収録刊行物

  • 音声研究

    音声研究 7 (2), 18-28, 2003

    日本音声学会

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