タイ語声調の再検討(<特集>アジア東部諸言語の喉頭特徴)

書誌事項

タイトル別名
  • Thai Tones Revisited(<Feature Articles>Laryngeal Features among Eastern Asian Languages)
  • Thai tones revisited

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抄録

本研究はタイ標準語の声調生成に関わる喉頭筋の活動について,EMG(筋電図)を用いた先行研究(Erickson 1976, 1993)を基礎としながら,とりわけ下降調生成のメカニズムについて音声生理学的な観点から再検討を加えたものである。タイ語の各声調は,輪状甲状筋(CT)および胸骨舌骨筋(CT),胸骨甲状筋(ST),甲状舌骨筋(TH)等外喉頭筋の運動に関して,それぞれ異なったパターンを示す。CTの活性化は基本周波数(F0)の上昇をもたらし,その不活性化はF0の下降をもたらす。下降調生成においては,CTの不活性化によってF0が中音域まで下げられ,外喉頭筋の活性化によって中音域以下への下降がもたらされると考えられる。喉頭筋の活動パターンに基づき,声調生成に関わる喉頭調節の様々な方策について検討した。

収録刊行物

  • 音声研究

    音声研究 15 (2), 74-82, 2011

    日本音声学会

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