アメリカ英語とドイツ語の接点 : ペンシルバニア地域のドイツなまり英語における無声化(<特集>英語音韻論の新たな事実・解釈・問題解決を掘り起こす)

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タイトル別名
  • Where American English Meets German: Devoicing in Pennsylvania Dutchified English(<Feature Articles>Unveiling New Facts, Interpretations, and Solutions in English Phonology)
  • Where American English Meets German : Devoicing in Pennsylvania Dutchified English

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抄録

いわゆる「ペンシルバニア地域のドイツなまり英語」(Pennsylvania Dutchified English;PDE)は,ペンシルバニア郊外の中南部地域に長く根付いた英語の一方言であり,200年以上前にここに入植したドイツ移民の子孫により用いられるものである。ペンシルバニア地域のドイツ語に関してはこれまでも研究経緯があるが,PDEの研究はほとんどないのが現状である。伝統的なPDEには末尾子音無声化を持つドイツ語に似た阻害音無声化が確かに見受けられるが,このパターンをよくよく検討してみると,ドイツ語とは異なることがわかる。つまり,この阻害音無声化にはドイツ語からの影響が見受けられるものの,実際のパターンはアメリカ英語の音韻をいろいろと反映しているのである。そこでこの論文では,PDEにおける無声化の実態を示すデータを提供し,最適性理論に基づく分析を組み立て,その理論的意味合いをいくつか論じていきたい。

収録刊行物

  • 音声研究

    音声研究 17 (1), 18-25, 2013

    日本音声学会

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