アカマツの樹幹内蒸散流の観測とその面的展開

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  • Sap flow measurements of red pines: Developments on a horizontal scale

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広島大学構内のアカマツの樹幹に TDP センサーを埋設して,透水係数を求め,吸引速度(cm·s−1),蒸散流量(l·h−1)に展開した.蒸散活動が鈍化する降雨日を除いて,晴天日の日中は時間当たり数リットルの蒸散流が吸い上げられ,その量は樹木の直径に依存していた.夜間は激減し,冬場は昼間でも微量になった.4~5 月に行った微気象観測で,サップフローと対応するパラメーターとして飽差が見出された.樹幹直径とサップフローの経験式を導き,枯死が進む西条盆地中腹の樹幹直径から面積あたりの蒸散量を算定したところ,年間で 1 Km2 当たり約 14 万 6,000 m3·Km−2·yr−1,枯死の少ない尾根部では約 64 万 4,000 m3,面積換算して 24 万 5,600 m3 と推定された.一方,流域レベルの降水量と流出量から蒸発散量は約 38 万 4,000 m3·Km−2·yr−1 であった.両者の差には,広葉樹の蒸散のほかに,降雨遮断や水稲の蒸散が含まれると考えられる.<br>

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