住宅熱環境が高齢者の血圧に及ぼす影響についての調査研究

書誌事項

タイトル別名
  • <I>Investigational Study on the Influence of Housing Thermal Environment on Blood Pressure of Elderly People</I>
  • ジュウタク ネツ カンキョウ ガ コウレイシャ ノ ケツアツ ニ オヨボス エ

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説明

寒冷地域において脳卒中の発生率が高いことは広く知られており, 寒冷刺激に対する昇圧が発生のきっかけを増やしていると思われる.本論文は, 日常生活の中で, 高齢者の血圧が室内熱環境の影響をどのように受けているかを探ることを目的とした調査研究である.調査は夏季および冬季に, 郡山市内の一戸建て住宅に居住する高齢者および青年を対象に実施した.さらに, 室温の影響を確認するため, 冬季に, 室温を意図的に上げたうえで, 同様の調査を行った.調査項目は, 血圧, 皮膚温, 人体周囲温及び室内温度の24時間測定である.加えて, 住宅構造, 使用暖房器具, 被験者の健康状況の調査を行った.室内温は, 冬季は, どの住宅においても, 居間と他室に大きな温度差がみられた.血圧変動については, 室内温度の影響が少ない夏季には, 行動状況に対応して血圧が変動している様子がみられた.冬季については環境温の変動によって血圧が変動する傾向がみられた.なかでも, 日常の血圧が比較的高い男性高齢者について午前中に血圧と周囲温の相関が強くみられた.皮膚温と血圧の関係は, 着衣からの露出部位である手部との関係が強くみられたことより, こたつと石油ストーブを使用した一室暖房では, 身体の局所が冷え, 血圧変動が起ると考えられる.また, 暖房量を増加した場合の同様の調査では, 特に起床時の血圧上昇が緩和された.

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参考文献 (16)*注記

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