イネいもち病菌の体細胞相同組換えに及ぼす化学薬剤の影響:マイコトキシン検出系としての可能性について

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of chemicals on somatic homologous recombination in the rice blast fungus: its possible application for detection of mycotoxins

この論文をさがす

説明

我々は真核生物の遺伝的変異機構の一つである体細胞相同組換えの検出/選抜系を構築し,イネいもち病菌の体細胞相同組換えがタンパク質合成阻害剤であるブラストサイジンSによって誘導されることを示した.本研究では,イネいもち病菌の体細胞相同組換えに及ぼす化学ストレスおよびマイコトキシンの影響について調査をおこなった.DNA損傷薬剤として知られるmethyl methanesulfonate,bleocineおよびmethyl viologenの処理により,イネいもち病菌の体細胞相同組換え頻度が大幅に上昇することを見出した.同様に,アミノ酸合成阻害剤であるビアラフォスやタンパク質合成を阻害するT-2 toxinの処理によっても体細胞相同組換え頻度の上昇がみられた.このような一次代謝経路阻害による体細胞相同組換え頻度の上昇は,薬剤ストレスによるゲノムの不安定化が一要因として考えられ,体細胞相同組換え検出系を用いたマイコトキシンの高感度バイオアッセイ系として応用可能であることを報告する.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ