人工海水温浴における塩類濃度が心電図に与える影響

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タイトル別名
  • The influences of salt concentrations in sea water on ECG during and after bathing
  • ジンコウ カイスイ オンヨク ニ オケル エンルイ ノウド ガ シンデンズ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

本研究は,海洋療法と保養·健康増進に関する基礎資料を得ることを目的とし、粉末状海水塩類を溶かした人工海水温浴における塩類濃度の影響を,心電図の変動から検討した。被験者は健康な青年男性6名で,全被験者に対し,4日間連続の同時間帯に4種の温浴条件(淡水,1%,3.5%,7%塩類濃度)の実験を行った。入浴開始時の水温は各条件毎の平均で38.20∼38.33°Cであった。被験者は,入浴を15分間した後,出浴後の30分間は陸上椅子座位での安静回復をとった。平均心拍数は,入浴中,4条件共に入浴前に比べて有意な上昇を示し,出浴後は7%群でのみ出浴後4-7分でも高かった。平均CVR-Rは,入浴中は人工海水3条件で有意な低下を示したのに対し,対照湯では有意差は認められなかった。出浴後では7%群でのみ有意に低かった。平均LF/HFは入浴中11-14分の1%群でのみ高かった。以上の結果より,淡水温浴に比べ,特に高い濃度の人工海水温浴(7%)は心循環系,自律神経系に強い影響を与えることが示唆された。

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