温度不耐性と慢性痛

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タイトル別名
  • Temperature Intolerance and Chronic Pain
  • オンド フタイセイ ト マンセイツウ

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抄録

外傷によって神経が傷ついたあとに見られる神経障害性疼痛や,腰痛,関節痛などの慢性痛では環境温度の変化に対する耐性が下がり,軽微な温度変化によって痛みが増悪するケースが少なくない.このような病態は「温度不耐性」と呼ばれ,ヒトの場合は主に低温不耐性となって現れる.温度不耐性の病理学的バックグラウンドは未だ不明な点も多く,適切な治療法が未だ確立されていない.これまでの研究報告によれば,皮膚の温度不耐性のメカニズムとしては,(1)皮膚の温度受容線維の数の増加,(2)神経線維末端と角化細胞(ケラチノサイト)での温度受容 Transient Receptor Potential(TRP)チャネルの発現量の増加,(3)TRP チャネルの活性化温度が変化することが原因と考えられている.また,温度変化がストレス反応を惹起し交感神経興奮を促すことで,慢性痛を悪化させることも分かっている.<br>

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