呼吸法を併用した心拍バイオフィードバックの心理・生理的変化について : バイオフィードバック未経験者を対象として
-
- 高井 秀明
- 日本体育大学大学院体育科学研究科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Psychological and physiological changes acquired from heartbeat biofeedback combined with breathing exercises : The changes experienced by beginners in biofeedback
この論文をさがす
説明
本研究は,バイオフィードバック(BF)未経験者を対象に呼吸法を併用した心拍BFがどのような心理・生理的変化をもたらすのかについて検討した.実験条件は,統制条件(閉眼安静状態),通常条件(閉眼安静状態で,呼吸法を併用せずに心拍の聴覚信号の間隔を拡張する),呼吸条件(閉眼安静状態で,呼吸法を併用して心拍の聴覚信号の間隔を拡張する)の3条件とした.これらの実験条件を比較・検討するために,心理指標としては二次元気分尺度の改訂版(TDMS)と内省報告,生理指標としては呼吸数,心電図R-R間隔を採用した.さらに心電図R-R間隔からは,Lorenz plotを算出した.検討の結果,実験条件間に差異がみられたのは以下の3点である.(1)TDMSより,通常条件と呼吸条件では実験においてポジティブ覚醒を高めた,(2)呼吸条件は実験において呼吸数を減少させた.(3)Lorenz plotより,通常条件では実験後安静において心臓交感神経活動を亢進させた.以上のことから,BF未経験者においては,呼吸法を併用して心拍の聴覚信号の間隔を拡張するほうが呼吸法を併用しない場合よりも,リラクセーション状態へ導くために有効な方法であるといえる.
収録刊行物
-
- バイオフィードバック研究
-
バイオフィードバック研究 36 (1), 69-75, 2009
日本バイオフィードバック学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679766409600
-
- NII論文ID
- 110007227165
-
- ISSN
- 24323888
- 03861856
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可