医学・医療分野における心拍変動バイオフィードバック研究とコラボレーションの方向性(シンポジウム からだからこころへのアプローチ-バイオフィードバックで何ができるか-)
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- 及川 欧
- ニュージャージー医科歯科大学精神科
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- Malinovsky Igor
- ニュージャージー医科歯科大学精神科
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- Kotay Anupama
- ニュージャージー医科歯科大学精神科
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- Karavidas Maria Katsamanis
- ニュージャージー医科歯科大学精神科
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- 須藤 和昌
- 市立札幌病院神経内科
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- 田代 邦雄
- 北海道医療大学心理科学部
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- 梅沢 章男
- 福井大学教育地域科学部
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- Lehrer Paul M.
- ニュージャージー医科歯科大学精神科
書誌事項
- タイトル別名
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- Heart Rate Variability Biofeedback : New Directions in Collaborative Medical and Related Healthcare Research(Symposium The approach to the mind from the body-What is made of biofeedback?-)
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説明
最近の医学・医療分野では,生理学的な症状や各種疾患の発生メカニズムを理解するため,からだとこころの心身相関に今まで以上の注目がなされるようになった.また,簡便なバイオフィードバック(BF)機器が出回り,新たに心拍変動(HRV)を用いたBF療法の出現とその有効性を示唆する研究により,今までBFに関心を持たず十分に理解していなかった,多くの分野の研究者たちを惹きつけるようになっている.各方面では,身体症状を精神(心理)生理学的な方法で治療する実験系を模索する共同研究が行われるようになってきた.UMDNJの当研究室では,HRV-BFを用いて喘息,うつ病,線維筋痛症や炎症の研究を他の講座や大学との共同で行っている.また,過去十年以上に渡り,効果的な薬物療法を持たない各種症状や疾患に対しても,次々とHRV-BFで治療成果をあげている.今最も力を注いでいる研究の一つは,ニュージャージー州に非常に多い,交通事故による脊髄損傷の合併症であるAutonomic Dysreflexia(自律神経系の異常興奮;AD)に対するHRV-BFの試みである.ADは突如生じ,200/100mmHg以上の血圧に瞬時に上昇することで痙攣,脳出血,心筋梗塞や突然死にまで発展することさえあり,直ちに治療しなければ命を脅かす危険性がある.薬物療法による降圧効果には限度があり,HRV-BFの治療効果に期待が寄せられる.HRV-BFの応用は,薬物療法があまり効果のない症状や疾患に対しての,安価で,安全性のある,効果的な治療選択肢の一つであろう.
収録刊行物
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- バイオフィードバック研究
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バイオフィードバック研究 34 (2), 17-21, 2007
日本バイオフィードバック学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679766841216
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- NII論文ID
- 110006420158
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- ISSN
- 24323888
- 03861856
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可