貧血進行の原因鑑別が困難であった肝硬変に合併した特発性腸腰筋血腫の1例

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タイトル別名
  • A case of alcoholic liver cirrhosis complicated with iliopsoas hematoma:difficulty in discriminating the diagnosis of progressive anemia
  • difficulty in discriminating the diagnosis of progressive anemia

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説明

症例は56歳男性. アルコール性肝硬変. 平成15年8月より全身倦怠感を自覚. 同年10月より体重増加. 11月8日より39度台の発熱が出現し, 近医入院. 同14日当科入院. WBC 7700/μl, Hb 8.8g/dl, Plt 5.2万/μl, PT 46.1%, T-Bil 4.8mg/dl, AST 129IU/l, ALT 59IU/l, γ;-GTP 27IU/l, Alb 2.5g/dl, 入院当初より左腰背部痛を軽度自覚. 入院後, 肝不全に対して保存的に加療を行ったが, 貧血が進行した. 下血はなく, 上部消化管内視鏡では明らかな出血はなかった. 第6病日, 腹部造影CTにて左腸腰筋の軽度腫大が描出された. 再検前にショックに陥り第7病日死亡. 剖検にて左腸腰筋血腫と診断された. 肝硬変に合併した特発性腸腰筋血腫は稀であるが, 貧血が進行する肝硬変患者における鑑別として重要である.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 45 (11), 609-613, 2004

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (9)*注記

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