ALTが長期間正常にもかかわらず組織学的に高度の炎症像を認めたNASHを基盤に発症したと考えられる高齢女性肝硬変の4例

  • 杉本 元信
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 中西 員茂
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 瓜田 純久
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 永井 洋子
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 原 規子
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 加藤 博人
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 秋元 達雄
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 渡辺 周治
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 本田 善子
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 島田 長人
    東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病科
  • 渡辺 学
    東邦大学医療センター大森病院消化器内科
  • 野中 博子
    東邦大学医療センター大森病院病理

書誌事項

タイトル別名
  • Four aged female cases of liver cirrhosis probably developed from nonalcoholic steatohepatitis with histologically severe inflammation despite sustained normal serum ALT levels
  • 症例報告 ALTが長期間正常にもかかわらず組織学的に高度の炎症像を認めたNASHを基盤に発症したと考えられる高齢女性肝硬変の4例
  • ショウレイ ホウコク ALT ガ チョウキカン セイジョウ ニモ カカワラズ ソシキガクテキ ニ コウド ノ エンショウゾウ オ ミトメタ NASH オ キバン ニ ハッショウシタ ト カンガエラレル コウレイ ジョセイ カンコウヘン ノ 4レイ

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説明

血清ALTが長期間正常を示す肝硬変4例に対して,病因解明の目的で肝生検を行った.性別は全例女性,年齢は60∼81歳(平均70歳).飲酒歴全例なし.肥満を全例に,糖尿病を3例に認めた.HBs抗原およびHCV抗体は全例陰性,ANAは40倍3例,80倍1例,AMAは全例陰性.AST/ALT(IU/l):30/27, 36/17, 33/20, 47/23.血小板(×103/mm3):98∼124.ヒアルロン酸(基準値50ng/ml未満):135∼469. CT画像は全例が肝表面の凹凸,結節形成を示し,肝生検ではいずれも肝硬変で,A2∼3(新犬山分類)の炎症像を認めた.組織像から病因は特定できなかったが,非アルコール性脂肪性肝炎を基盤として発症したものと推定された.高齢の女性肝硬変患者で,特にNASHを基盤とした例では,たとえALT正常でも高度の肝炎を有する可能性があり,その点に注意が必要である.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 48 (8), 353-362, 2007

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (27)*注記

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