肝左葉の著明な萎縮を伴い6年間の経過にて診断し得た原発性硬化性胆管炎の1例

DOI Web Site 参考文献19件 オープンアクセス
  • 前田 尚康
    九州大学大学院医学研究院感染環境医学 九州大学医学部附属病院総合診療部
  • 田中 陽子
    九州大学医学部附属病院総合診療部
  • 中嶋 寿
    九州大学大学院医学研究院感染環境医学 九州大学医学部附属病院総合診療部
  • 古庄 憲浩
    九州大学医学部附属病院総合診療部
  • 柏木 征三郎
    国立病院九州医療センター
  • 林 純
    九州大学大学院医学研究院感染環境医学 九州大学医学部附属病院総合診療部

書誌事項

タイトル別名
  • A case of primary sclerosing cholangitis with severe hepatic left lobe atrophy diagnosed after 6 years

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説明

症例は43歳, 男性. 20歳頃より原因不明の発熱及び上腹部痛がしばしば出現し, 1991年同症状にて当部に紹介入院された. 胆道系細菌感染症を疑い, 各種抗生剤投与されるも改善せず, 胆道系酵素の上昇及びERCPの肝内胆管狭窄所見を認めたが, 確定診断には至らなかった. ウルソデオキシコール酸 (UDCA) を1カ月間投与したが臨床症状及び検査所見に改善なく, ステロイド (PSL) を追加投与し, 一時改善したが, 定期的に発熱と肝胆道系酵素の一過性の増悪がみられていた. 1997年再入院にて, 臨床経過, 検査所見, 画像所見及び肝生検組織像より原発性硬化性胆管炎 (PSC) と確定診断した. 6年間の臨床的及び病理的経過観察によりPSCと診断し得た症例であり, 早期診断法及びその治療法の確立が必要と考えられた.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 43 (1), 33-38, 2002

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (19)*注記

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