愛知県内で捕獲された野生イノシシ摂食後に発症したE型肝炎の4例

書誌事項

タイトル別名
  • Four cases of hepatitis E after eating wild boar meats in Aichi, Japan
  • 症例報告 愛知県内で捕獲された野生イノシシ摂食後に発症したE型肝炎の4例
  • ショウレイ ホウコク アイチ ケンナイ デ ホカク サレタ ヤセイ イノシシ セッショク ゴ ニ ハッショウ シタ Eガタ カンエン ノ 4レイ

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説明

愛知県内で捕獲された野生イノシシの肉・内臓を摂食し,約1∼2カ月後にE型肝炎を発症した症例を2005年と2006年に2例ずつ合計4例経験した.いずれも中高年男性であり,3例に飲酒歴を認め1例に薬剤服用歴を認めた.4例いずれも著明な肝逸脱酵素の上昇を示し,2例で劇症化が懸念されステロイドパルス治療を施行,うち1例は血漿交換療法を施行した.分離されたHEV株の遺伝子型はいずれも4型であり,互いに98.8∼99.8%の塩基配列一致率を示すと同時に,最近愛知県内の野生イノシシから分離されたHEV株とも99.1∼100%の一致率を示した.一方,これまでに北海道を中心に他県で分離されている4型HEV株との一致率は85.4%∼89.3%に過ぎなかった.以上の結果より,野生イノシシを感染源とする土着HEVの感染が愛知県内で広がりつつあることが危惧され,感染予防の観点から,早急の感染実態の調査・把握が重要である.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 47 (10), 465-473, 2006

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (16)*注記

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参考文献 (37)*注記

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