肝多発腫瘤性病変を呈し,抗結核薬が著効した肝結核の1例

  • 三石 雄大
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 安部 宏
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 關 伸嘉
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 宮崎 民浩
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 会田 雄太
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 板垣 宗徳
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 石黒 晴哉
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 須藤 訓
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科
  • 相澤 良夫
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of hepatic tuberculosis presented multiple masses which was disappeared by antituberculosis therapy
  • 症例報告 肝多発腫瘤性病変を呈し,抗結核薬が著効した肝結核の1例
  • ショウレイ ホウコク カン タハツ シュリュウセイ ビョウヘン オ テイシ,コウケッカクヤク ガ チョコウシタ カン ケッカク ノ 1レイ

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説明

症例は41歳男性.尿潜血の原因検索のため行った腹部単純CTで肝S7, 8を中心に多発する低吸収な腫瘤性病変を認め,ダイナミック造影では辺縁部から緩徐な造影効果を呈した.画像による鑑別は困難で,組織学的検索の同意は得られず,経過観察となった.しかし,約半年後に病変は増大・増加したため狙撃生検を施行したところ,組織学的に非乾酪壊死性の類上皮細胞肉芽腫を認めた.肝結核やサルコイドーシスを疑ったが,全血インターフェロンガンマ応答測定法や生検組織の結核菌PCRは陰性で結核を示唆する所見は得られなかった.一方,血清カルシウムやアンギオテンシン転換酵素は正常で,両側肺門部リンパ節腫脹も認めず,サルコイドーシスは否定的であった.短期間で増悪する経過から,結核の可能性を強く疑い,抗結核薬を開始した.治療半年後に病変はほぼ消失した.確定診断に苦慮したが,治療が奏功した肝結核の1例を経験したので報告する.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 55 (1), 40-50, 2014

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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