著明な肝障害を伴ったプロトポルフィリン症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of erythropoietic protoporphyria with severe liver damage
  • 症例報告 著明な肝障害を伴ったプロトポルフィリン症の1例
  • ショウレイ ホウコク チョメイ ナ カン ショウガイ オ トモナッタ プロトポルフィリンショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は29歳男性.小児期より光線過敏があった.父方の祖父,弟にも光線過敏を認める.2001年11月肝障害のため他院に入院し,プロトポルフィリン症(EPP)と診断され,肝生検では軽度線維化と色素沈着をみとめた.2005年8月腹痛,食欲不振,黄疸,肝障害のため同院に再入院した.肝生検では広範な線維化,多数の色素沈着をみとめた.2006年11月腹痛,食欲不振,便秘,微熱,黄疸のため当院に第1回目の入院をした.赤血球プロトポルフィリン13776 μg/dl ,ALT 287 IU/L,総ビリルビン5.1 mg/dl であった.2007年5月に同様の症状にて第2回目の入院をした.2008年8月に同様の症状にて第3回目の入院をし,肝不全が進行し11月死亡した.EPPは稀な遺伝性疾患であり,肝不全にて死亡する患者は多くない.しかし重症の肝障害の治療法としては肝移植しかなく,適切な時期に肝移植を考慮すべきと思われる.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 51 (4), 175-182, 2010

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ