アポ型ALTによりALTが異常低値を示したC型慢性肝炎に対して抗ウイルス療法を行った1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of chronic hepatitis C showing an extremely low level of ALT by the presence of Apo-type ALT who received the antiviral therapy
  • 症例報告 アポ型ALTによりALTが異常低値を示したC型慢性肝炎に対して抗ウイルス療法を行った1例
  • ショウレイ ホウコク アポガタ ALT ニ ヨリ ALT ガ イジョウ テイチ オ シメシタ Cガタ マンセイ カンエン ニ タイシテ コウウイルス リョウホウ オ オコナッタ 1レイ

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説明

症例は65歳の男性.近医にてHCV抗体陽性を指摘され,精査加療目的に当院へ入院となった.初診時よりalanine aminotransferase(ALT)値は2 U/Lと極度に低値であったが,肝組織所見はA1/F2で慢性肝炎であった.ビタミンB6の補酵素であるピリドキサルリン酸(PALP)添加にてALTを測定したところ32 U/Lであり,アポ型のALTを呈していると考えられた.本症例に対し,ゲノタイプ2a型低ウイルス量であるためペグインターフェロン(Peg-IFN)α2a製剤を投与したところ,投与開始後1週目にはHCV RNAは検出感度以下となり,12週間の投与により著効となった.ALTにはアポ型,ホロ型があり本邦における測定系ではアポ型は測定されない.本症例においてALTが低値を呈した原因は,ALTがアポ型を呈していたためと考えられた.アポ型ALTが優位で,ALTが極度に低値を示していたが,Peg-IFNα2a投与により著効となったC型慢性肝炎の1例を報告した.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 54 (8), 543-547, 2013

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (17)*注記

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