当科における喉頭気管分離術の工夫

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タイトル別名
  • Technical Devisal of Laryngotracheal Separation for Intractable Aspiration
  • トウ カ ニ オケル コウトウキカン ブンリジュツ ノ クフウ

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抄録

【目的】誤嚥防止手術として一般に行われているLindemanの喉頭気管分離術に対し,副損傷や,縫合不全,気管腕頭動脈瘻等の合併症リスクを減らすために当科で行っている工夫を紹介し,その治療成績を報告する.<br> 【方法】当科では,喉頭側断端処理はLindeman変法に準じるが肺側気管の授動は断端の縫い代確保分の最小限に留め,頭側皮膚を皮下の剥離によりフラップ状にし,喉頭側断端を覆いながら肺側断端の背側へ落とし込むようにしてこれと縫合している.過去4年間にこの方法を行った12例を対象とし,術中・術後成績を後方視的に検討した.<br> 【結果】手術時年齢は中央値4歳7か月,男女比は5:7で9例は術前に気管切開が置かれていた.平均手術時間は99±31分,出血量は少量で,全例で術中偶発症,術後縫合不全を認めなかった.平均26 か月の術後観察期間において,狭窄,腕頭動脈瘻などの晩期合併症も認めなかった.<br> 【結論】本術式は小児に対する誤嚥防止手術として簡便・低侵襲であり,合併症のリスクも低いと考えられた.

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参考文献 (15)*注記

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