先天性胆道閉鎖症術後上行性感染予防術式に関する実験的研究

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タイトル別名
  • Experimental Studies on Various Surgical Methods for Prevention of Postoperative Ascending Cholangitis in Congenital Biliary Atresia
  • センテンセイ タンドウ ヘイサショウ ジュツゴ ジョウコウセイ カンセン ヨボ

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説明

1. 先天性胆道閉鎖症における上行性感染防止術式「肝門部胃管吻合術」に関する, 種々の実験的細菌学的検討を行なった.2. 雑種成犬を用い, 胆管結紮後胆のう消化管吻合を行ない, 従来のRoux-Y空腸吻合術, 十二指腸吻合術との比較検討を行なった.3. Roux-Y空腸吻合術式では, 腸内容の逆流, 細菌汚染があきらかで, 胆汁内細菌数は, 7.02±0.73と著明に増加していた.また十二指腸吻合術式でも, 6.98±0.29と胆汁内細菌数の著明な増加を認め, Roux-Y空腸吻合, 十二指腸吻合をもってしては, 上行性感染が避けられなかった.4. 胃管吻合術式は, 胃内への胆汁流入によるpHの軽度の上昇および胃内, 胆汁中細菌数の増加はあるが, 総じて細菌数は, 5.56±1.0と少なく, とくに嫌気性菌において著明で, 胃内容の逆流防止にも有効であり, 上行性感染防止術式としてより優れた術式であるといえる.

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