両側先天性横隔膜ヘルニアの 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Bilateral Congenital Diaphragmatic Hernias

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説明

極めて稀な両側先天性横隔膜ヘルニアの 1 例を経験したので報告する.症例は在胎 40 週,2322 g,頭位自然正常分娩にて出生した生後 6 ヵ月の男児で,生後 6 週目よりの体重増加不良を主訴に当科を受診した.多呼吸・啼泣時チアノーゼ・発育不良を認め,胸部単純 X 線所見上,両側横隔膜の挙上を認めたため,両側先天性横隔膜ヘルニアあるいは両側横隔膜挙上症の術前診断にて手術を施行した.開腹すると,両側の胸腹裂孔に欠損孔を認め,これより胸腔へと脱出した内臓を整復すると,極めて菲薄なヘルニア嚢を認めた.両側有嚢性胸腹裂孔 (Bochdalek 孔) ヘルニアと診断し,ヘルニア嚢切除の上,欠損孔を縫合閉鎖した.病理組織所見は両側とも,ヘルニア嚢の辺縁部に筋組織を認めたが,中心部には膠原線維束を認めるのみであった.術後 1 年の現在,経過良好である.

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参考文献 (18)*注記

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