腎外性腎芽腫の 1 例

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  • Extrarenal Nephroblastoma in Childhood : A Case Report

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抄録

我々は, 比較的稀とされている腎外性腎芽腫の1例を経験した.症例は1歳6カ月の女児.腹部腫瘤, 嘔吐を主訴に当センター紹介入院.下腹部に表面平滑で硬い, 僅かに可動性を有する手拳大の腫瘤を触れた.CT, 超音波検査にて境界明瞭な充実性の腫瘤が骨盤内に認められた.腫瘤の急速な増大を認めたため, 腹部腫瘤の診断にて開腹した.腫瘍は仙骨前面, 骨盤内∿後腹膜腔に, 骨盤内及び腹腔内, 後腹膜腔の諸臓器とは独立して存在していた.大きさは8.0×6.0×5.0cmで, 丈夫な被膜に包まれ, 周囲への浸潤はみられず, 腫瘍のみを全摘した.病理組織学的に腎芽型小巣亜型の腎芽腫の組織であることより, 腎外性の腎芽腫と診断した.術後化学療法を施行, 術後10カ月経過した現在, 再発・転移の兆候なく経過している.

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